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Mr.ノボカイン (2025):映画短評

Mr.ノボカイン (2025)

2025年6月20日公開 110分

Mr.ノボカイン
(C) 2025 PARAMOUNT PICTURES.

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.4

相馬 学

肉体だけでなく心も、痛みを感じないはずだった!?

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 肉体的な痛みを感じない男が戦闘スキルもないまま、強盗にさらわれた、愛する女性の救出に向かうという設定の妙に、まず心惹かれる。

 殴られても刺されても撃たれても痛みを感じない、そんな設定がユーモアを引き起こす一方で、主人公の純朴で不器用な性格も味となり、共感を引き起こす要素は強い。J・クエイドの飄々とした妙演も光る。

 他人とのリアルな交流に消極的で、オンラインゲームに熱中している今風のキャラの描写は、肉体だけでなく心の痛みをも回避したい願望の表われか。一度の心の痛みが主人公の転機となる展開の妙。そういう意味でも興味深く観た。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

イタいラブストーリーとしての一面もアリ

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

たとえ流血が激しくても、笑えてしまう拷問シーンが見どころなうえ、『ホーム・アローン』パロディに、“ネッド”ことジェイコブ・バタロン参戦には思わず爆笑してしまうが、全体的な印象としては、コメディよりもハードアクション寄りな仕上がり。『ザ・ボーイズ』のヒューイありきな小市民キャラを演じるジャック・クエイドに頼りすぎた感もあるが、いろいろと問題抱えたアンバー・ミッドサンダーとの恋物語は、ちょっと新鮮にも映る。そういう意味では、ビル・スカルスガルドとマイカ・モンローがバカップルを演じた『ヴィランズ』の監督コンビらしい、異色のラブストーリーとして観るのも一興である。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

ジャック・クエイドの魅力と才能が光る

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ジャック・クエイドがバイオレンスとユーモアたっぷりの配信シリーズ「ザ・ボーイズ」で見せた魅力を、初の主演映画で大爆発させた。ナイスガイだがぱっとしない青年がとんでもない状況に直面して必死になる様子を、200%の力を注いで演じるクエイドは、好感度満点。とりわけスラップスティックなジョークはうまい。お相手役アンバー・ミッドサンダーとの相性も、文句なし。強烈なシーンがこれでもかというほどやってきて、思わず目を覆ってしまいつつも、同時に笑ってしまうのがこの映画。ストーリー自体にそう驚きはないけれども、その分、難しいことを言わずに楽しめる。ただし、血はたっぷり出るので、そこはしっかりと覚悟を。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

痛快!無痛ネタで最後まで突っ走る!

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 とにかく痛快。まず、主人公がとにかく前に進むのが気持ちいい。さらに「特異体質のせいで身体的痛みを感じない主人公」という設定の面白さにこだわり抜き、その一点で映画の最後まで疾走するという徹底ぶりが痛快。主人公を拷問部屋に入らせたり、この能力を逆手に取らせたり、この設定が活かせるありとあらゆる状況を、次から次へと連続させて、たっぷり楽しませてくれる。

 そんな痛快アクションに加えて、実はつらい過去を持つ主人公と恋人のラブストーリーの純粋さも胸アツ。「ザ・ボーイズ」のジャック・クエイドと、『ブレデター:ザ・プレイ』のヒロイン、アンバー・ミッドサンダーが演じる2人を思わず応援したくなる。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

無痛ゆえのサバイバル術が映画的面白さを倍増

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

「痛みを感じないから、どんな攻撃受けても戦える」設定は、ジェイソン・ステイサムあたりが演じたらハマリ役なのだろうが、このジャック・クエイドの“頼りなげ”な雰囲気が、逆に映画を痛快にさせた。
主人公の無痛無汗症は実際に存在する難病であり、センシティヴな配慮も必要だが、描き方はギリセーフ。『ホーム・アローン』のパロディなどコメディに振り切れる場面が多いし、病気の日常的な切実さもさりげなく盛り込まれる。主人公が自らの使命を自覚する瞬間は妙にカッコよかったりも。
ストーリー上、肉体の極限を試す「痛い」描写は避けられないので、わずかな覚悟は必要。全体に想定どおりとはいえ、求めるものは叶えてくれる良心作。

この短評にはネタバレを含んでいます
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